2010年5月9日日曜日

陶とガラス ― 陶器と磁器とガラス工芸

この展示会に行ったのは2月の25日で、もう2か月半近く前になる。

今回の展示会では陶器磁器のスペースが大半を占めていた。会期末期に行ったせいか?とも思ったが、最初からこうだったとのこと。

長らくガラス展を主としてを見てきたので、今回の土色の陶器が多数並べられた空間を見て懐かしいような気分もわいてきた。ひとつには以前、備前市に住んでいたことがあり、備前焼工房を見学した記憶を思い出したこともあった。

ご主人で作者の和田忠実氏に訊ねてみると、だいたい備前焼と同じ方法だが原料の土が違うとのこと。普通の釉薬が掛かっているように見えないが、備前焼よりは滑らかで親しみやすいところがある。

磁器はすべて白地に青の文様で、上述の陶器とこの種の磁器との2群からなっていた。

中に入って直ぐに眼に飛び込んできた急須があった。ちょうど急須を買いたいと思っていたときだったので、購入することにした。やはり急須は陶器か磁器で、ガラスはちょっとあり得ないだろう。皿もそうだ。料理を盛る皿はやはりガラスでは不向きのようだ。しかしかつて灰皿は圧倒的にガラスが多かった。

幾つかの急須がすべて同じ値段だったのでどれにするか迷ったのだが、結局下の急須にきまった。




これは和田氏に選んで貰った2点の中の1つである。もうひとつの方は残っていた他の急須に比べても一回り大きくかつ端正な形で色調も美しかったが、結局大きさを考えてこれにした。斜め上から見ると味わいの深い形をしている。急須は斜め上から見ることが多いのだ。

かれこれ2か月ほど使い続けているが、他の量産品ばかりの食器や道具や容器類に囲まれて確かにこれは光っている。使い勝手も、注ぎ口からしずくが垂れることもなく、すべての面で問題が無い。

ところで今回、改めて上に乗せた案内状の写真を見てみると、下側の磁器の急須が素晴らしいものに見えた。案内状を貰ったときはとくに気に留まることもなかったのだけれども、今改めて写真を眺めてみると本物の個性をそなえた美しい姿に見える。会場では見かけなかったが、早く売れたのであろう。もちろんお値段のランクも違ったであろうから購入できたとは思わないが。

ところで、急須はもちろん、料理皿などもガラスでは無理か難しいところがあるが、酒器、日本酒用酒器となると話は別だろう。西洋料理に合わせる場合は言うまでもなく、伝統的な杯や徳利までガラス製品が用いられる場合さえある。居酒屋などでも磁器が多いが、最近はガラス器の場合も多い。もちろん土色の陶器に無色透明な日本酒を盛るのも風情があるかも知れない。特に月明かりの下などではいいかもしれない ― そういう環境があれば・・・。


以上、この2月に訪れたガラスギャラリー報告でした。今はもう5月も半ばに。できれば余り期間をおかずにまた書きたいと思います。

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